これまで、パニック障害のみに焦点をあててブログを書いてきました。
今日は、他の病気との関係性、取り分け合併しやすいうつ病との関係性を取り上げます。
併発率が50%というデータもあることも踏まえ、なるべく当事者の目線で解説していきたいと思います。
パニック障害の症状は、以下の4つの症状で構成されています。
- パニック発作:前触れなく、過呼吸や動悸、息苦しさといった身体症状が生じる事
- 予期不安:「また発作が起きるかもしれない」と考えてしまうこと
- 広場恐怖:パニック発作を起こした場所や、パニック発作が起きたら困る状況を避けること
- 身体感覚過敏:発作に似た身体症状に過敏になること
この4つの症状が組み合わさると、これまで何も気にすることなくできていたはずのことに制限がかかり、頭の中が不安に支配されます。
・朝起きたときに、「今日は無事に1日過ごせるだろうか?」という考えが頭をよぎります。
・出かける前に、「何か体に不調はないかな?」とチェックが欠かせなくなります。
・もし体の不調があれば、「発作を起こして迷惑をかけると悪いな」と考え、誘いを断ったり予定をキャンセルしたりします。
・自宅にこもっていると安心はしますが、刺激がなくなり「つまらない」「好きなことができなくなった」「自分は何をしているのか」と悶々と考え込むようになります。
・拘束される予定が先にあると、「無事に乗り切れるかな?」と日付が近づくたびに憂鬱になります。
・症状の苦しみを伝えようにも、「体験していない人には、この苦しみはわかってもらえない」と考え、人に気持ちを伝えることを諦め、孤独を深めます。
・仮に理解してもらえても、苦手な状況に行くときに付き添ってくれる人に対して「自分が病気になっていなかったらこんな迷惑をかけることはなかったのに」と罪悪感に苛まれます。
・何とか1日を終えても、「明日は大丈夫だろうか?」と考えながら布団に入り、いやな想像を繰り返してなかなか夜が寝られません。
上記のような体験が続いたら、とても気持ちは上向きになりません。そして、自室にこもる時間が長くなることで活動量が減り、体は疲れていないのに頭が緊張して眠れず、さらに気分が落ちる悪循環に入っていきます。
こうなると、うつ病の診断がつく状態になっても無理はありません。
気持ちの落ち込み、不眠、食欲低下、興味関心がなくなるといった状態が続くようであれば、早めに主治医にご相談ください。
いかがだったでしょうか?
今日の話を聞いて不安になる方もいるかもしれませんが、逆に言えばパニック障害の症状が緩和し、日常を取り戻す中でうつ症状が回復してきた方もたくさん見てきました。
パニック障害の完治を目指し、専門治療を受けることを検討していただきたいと考えています。
あつた白鳥クリニックでは、パニック障害の本質となる不安感、その中身である身体感覚過敏への専門治療に加え、広場恐怖の克服ための治療を行っていきます。
また、お近くに専門の医療機関がない方に向けて、オンラインでの対応もしております。
今後も情報発信をしていきますので、ご興味のある方は一度お問い合わせください。