あつた白鳥クリニック

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パニック障害から回復するとどうなるか?

2023年8月8日

これまで、パニック障害についての理解が深まるよう情報発信を続けてきました。今回は、パニック障害から回復していくとどうなるのかについて、具体例を交えながら説明していきたいと思います。内容は過去に解説した「治療目標の立て方」と関連するので、よろしければ合わせてご参照ください。

ここで、過去のブログに登場したAさんの事例をもう一度掲載します。

Aさんは20代の会社員の女性。仕事が忙しく残業もこなしながら、プライベートでは家族や友人との付き合いも大事にしておりました。ある日、いつものように電車に乗って通勤していた際、急な動悸と発汗、窒息感に襲われました。急なことで驚き、「このまま死んでしまうのでは?」と強い恐怖に襲われながら、途中の駅で降りました。ホームでうずくまっているうちに徐々に落ち着いてきたものの、大事を取ってその日は会社を休むことにしました。しかし、また電車に乗って出勤しようとした際、電車の中で起きた急な動悸や窒息感を思い出し、「電車に乗るとまた起こるのでは?」と不安が高まるようになりました。自転車で会社に行ける距離ではなく、車の免許も持っていなかったAさんは、家族やパートナーに協力を依頼して何とか出勤していました。気軽に電車に乗れず、友人の前で体調を崩して迷惑をかけるのが嫌で、友人との外出の誘いも断るようになりました。結果。生活範囲がどんどん狭まっていき、生活の充実感が減ってしまいました。

このまま家族やパートナーに迷惑をかけられないと考えたAさんは、意を決して精神科を受診し、パニック障害と診断されました。

Aさんが薬の治療と専門治療を通して症状が回復していくと、まずは電車に乗れるようになるというのが実感しやすい変化だと思います。Aさんの場合、車の免許を持っていないので、電車に乗れないのは死活問題でした。通勤を誰にも迷惑をかけずにできると思うだけで、かなりほっとできると思います。

次に、パニック障害の本質である「パニック発作を起こすことへの不安」が回復することで、体調を崩すことへの不安が小さくなり、人との約束がしやすくなります。日々の充実感が変わっていくと思います。

ここまでは、「元に戻る」という要素になりますが、そこで終わりではありません。

Aさんの場合、仕事もプライベートも忙しい生活をしていたことで、充実感がある反面、体に無理が生じていたかもしれません。そこで、生活習慣や時間の使い方を見直すことになります。場合によっては、人からの誘いを勇気をもって断り、自分をいたわる時間を優先してあげた方がいいかもしれません。時に自分を優先し、相手に頼れるようになることは、これからの人生においても重要なことです。

つまり、パニック障害が回復する、というのは「元に戻る(=選択肢を取り戻す)」「新しい自分を確立する」を同時に行っていくプロセスなのです。

もう1つ、これまで回復してきた方の話を伺う中で、「パニック障害について考える時間が減った」と話す方が多くいらっしゃるのが印象的でした。発作への不安が減るので、必然的に警戒する時間が減り、パニック障害以外のことに考えを向けることができるようになるのです。これはつまり、予期不安が減るということです。生活上の変化と違って見えにくいものですが、治療の後期に訪れる変化として大事な回復の指標だと考えています。

いかがだったでしょうか?

回復のプロセスは人それぞれですし、専門治療を受ければ一気に解決するということもありません。また、パニック障害が回復しても、不安が人生からなくなるわけではありません。

事例にあげたAさんも、これから様々な人生上のイベントに遭遇していくことになるでしょう。生きていれば悩みは尽きないものですが、せっかくならパニック障害に悩むのではなく、もっと別の大事なことで悩んでほしいですし、そんな状態になれるような後押しができればと思います。

あつた白鳥クリニックでは、パニック障害の本質となる不安感、その中身である身体感覚過敏への専門治療に加え、広場恐怖の克服ための治療を行っていきます。また、パニック障害に対する正しい知識もお伝えしていきます。

お近くに専門の医療機関がない方に向けて、オンラインでの対応もしております。

今後も情報発信をしていきますので、ご興味のある方は一度お問い合わせください。