あつた白鳥クリニック

電話での
診療予約も可能
052-671-1555

※初診の方は必ず事前予約をお取りいただくようお願いいたします。
〒456-0035 愛知県名古屋市熱田区白鳥3丁目10-19 BLG白鳥2F

BLOG

パニック障害の治療目標の立て方

2023年7月4日

これまで、パニック障害の方が抱える不安の本質、処方の必要性、生活習慣との関わりなど、パニック障害についてのブログを何本か書いてきました。

今回は、架空の事例を通して、パニック障害を治療していく上での目標の立て方について解説します。

ここでもう一度、事例を振り返ってみましょう。

【事例】

Aさんは20代の会社員の女性。仕事が忙しく残業もこなしながら、プライベートでは家族や友人との付き合いも大事にしておりました。ある日、いつものように電車に乗って通勤していた際、急な動悸と発汗、窒息感に襲われました。急なことで驚き、「このまま死んでしまうのでは?」と強い恐怖に襲われながら、途中の駅で降りました。ホームでうずくまっているうちに徐々に落ち着いてきたものの、大事を取ってその日は会社を休むことにしました。しかし、また電車に乗って出勤しようとした際、電車の中で起きた急な動悸や窒息感を思い出し、「電車に乗るとまた起こるのでは?」と不安が高まるようになりました。自転車で会社に行ける距離ではなく、車の免許も持っていなかったAさんは、家族やパートナーに協力を依頼して何とか出勤していました。気軽に電車に乗れず、友人の前で体調を崩して迷惑をかけるのが嫌で、友人との外出の誘いも断るようになりました。

結果、生活範囲がどんどん狭まっていき、生活の充実感が減ってしまいました。

このまま家族やパートナーに迷惑をかけられないと考えたAさんは、意を決して精神科を受診し、パニック障害と診断されました。

医療での治療というと、一般的には「症状がなくなること」とイメージすると思います。

Aさんの例でいうのであれば、パニック発作や不安感が減るなどがわかりやすいですね。

しかし、これは目標の立て方としては不足しています。

まず、パニック障害の発症に至った理由の振り返りが足りていません。発作を起こした原因が分からないケースもありますが、多くの場合、最初の発作の手前にストレスを体験しています。発作を起こすまでの経緯を振り返り、何か無理をしていなかったのか振り返る必要があります。

Aさんの例で考えると仕事やプライベートが充実している反面、もしかしかたら自分の時間を大切にできておらず、どこかで無理をしていた可能性があります。さらに背景には、相手よりも極端に自分を優先しすぎてしまう傾向があるかもしれません。もしそうであれば、Aさんはパニック障害の治療だけでなく、自分の考え方の傾向を振り返り、時間の使い方を変えていく必要があります。

もう1つ重要なのが、「症状が改善したら、どのような生活を送りたいか?」と考えることです。特に広場恐怖の治療では、不安になりながらも苦手な場面に意図的に挑戦する必要があります。勇気を出して不安に向き合うのですから、その先に待っている良いイメージを作り、頑張るモチベーションにしてほしいと思います。

Aさんの例では、もともとの生活が充実していたので、家族やパートナーに頼らずに電車で出勤ができるようになる、友人と電車で約束通りに外出できるようになるなど、比較的考えやすいです。もしAさんが旅行好きであれば、県外への電車旅行の計画を組んでもいいかもしれません。

いかがだったでしょうか?今回はパニック障害を治療していく上での目標の立て方について解説してきました。

発症をきっかけに自分に向き合い、より良い生活を手に入れてほしいと思います。

ただ、パニック障害の症状を長く抱える人の中には、症状に合わせた生活を長く行った結果、広場恐怖があることを前提にした制限のある生活をしており(例:移動は徒歩、自転車、車に限定し、電車での遠出は諦める)、改善のイメージが持ちにくい人もいます。この場合、発症前後の経過を詳しく聞き取り、どの制限を外したいのかを話し合いながら治療を進める必要があります。

また別の事例を通して、パニック障害の経過が長引いてしまう理由とともに解説してみたいと思います。

あつた白鳥クリニックでは、パニック障害の本質となる不安感、その中身である身体感覚過敏への専門治療に加え、広場恐怖の克服ための治療を行っていきます。

また、お近くに専門の医療機関がない方に向けて、オンラインでの対応もしております。

今後も情報発信をしていきますので、ご興味のある方は一度お問い合わせください。