あつた白鳥クリニック

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行動活性化について

2019年6月25日
認知行動療法のひとつに行動活性化という手法があります。今回は、行動活性化についてお伝えしたいと思います。 さて、次の項目に当てはまりそうな方はいますでしょうか。

◇ 用事があっても体調(気分)が悪いときは後回しにする。
◇ だるい時には、外出するよりも家で横になっていることが多い。
◇ 気分が乗らない時には、約束していてもドタキャンしてしまう。


どうでしょうか?もし、3つともに当てはまる場合は、あなたの行動は気分に依存している可能性があります。一般的に、感情や気分は行動の原因によって起こるものだと考えられがちです。よって、先ほどの項目でチェックが入った人は、「気分が乗らないときに、動いたら余計に悪化してしまう。それなら、家で大人しく何もしない方がいい」と考えることが多いのかもしれません。

ここで、よくありがちな場面を記述するのでイメージしてみてください。

・ある日、友人から夕食に誘われました。その時は、行くと返事をしましたが、夜が近づくにつれ、めんどくさい気持ちが強くなって、「このまま行っても楽しめないかもしれない」「友人からも”つまらないヤツ”と思われるのではないか」という悪い考えが浮かんできました。どんどん、その考えが広がってきて、結局、友人との約束を断ってしまいました。

では、次に友人と夕食に行くことについて、誰かがあなたに5万円をくれるという状況をイメージしてください。どうでしょうか?5万円もらえるなら、ちょっと無理をしてでも行ってみようと思いませんか?さらに、10万円ならどうでしょうか?

もしこの話に対して、あなたが報酬によって夕食に行くことができるとしたら、それは気分に依存せず、行動できるという可能性を示しています。

このように気分に依存しない行動とは、自分の気分が良くなるのを待って行動するのではなく、その時の気分に関係なく、目標を決めて行動することを意味しています。その目標は高いものである必要はありません。

ここで大事なのは、「とりあえず、毎朝起きるのがしんどいけど、カーテンを開けて着替える」というものからで十分です。ポイントは、そのときの気分がどうであれ、自分で決めた計画を実行するということが大切です。

これを繰り返していくと、もともと元気な頃にやっていた「健康行動」を気分に依存しない行動をすることによって取り戻すことができます。しかしながら、「めんどくさいから、やらない」「今日は調子が良くないから、予定していたことをキャンセルしよう」など、気分に依存した「うつ行動」を繰り返していると、どんどん悪循環にはまっていきます。

皆さんも「最初は気分的に乗らなかったけど、行ってみたら意外に楽しめた」という経験をしたことはあると思います。実はそれが、気分に依存しない行動をしていたことになります。

昔から「悲しいから泣くのか」「泣くから悲しいのか」という話がありますが、今回のテーマで言うと、「泣くから悲しい」ということになります。

気分や感情は意外にいい加減なもので、行動=やってみたら、そこに気分が乗っかって楽しめたということがよくあります。

このように認知行動療法による行動活性化では、まず活動記録表などを使って、自分の行動パターンをみつけ、その中で自分が楽しいと思える行動「健康行動」をチェックして、その行動を増やしていく行動計画を立てていきます。

これは、なかなか自分一人で取り組むのは難しい面があるので、気になる方や、「なかなかやる気が出てこなくて困っている」「以前のように動けていた自分に戻りたい」などでお困りの方は、カウンセリングなどで一緒に取り組んでいきますので、お気軽にご相談してみてください。