パニック発作を経験することで、私たちの心をつかさどる脳が強い興奮状態になります。特に、初期段階では気の持ちようではなかなか不安は落ち着いてくれません。精神科のお薬は、脳の興奮状態を和らげ、不安な気持ちを落ち着かせることに役立ちます。
そして、もう1つパニック障害の初期治療で有効なのが生活習慣の見直しです。
今回のブログでは、その理由とポイントを解説します。
まず生活習慣の見直しが有効な理由ですが。これは「パニック発作を起こしやすい生活をしていなかったか?」を振り返るためです。
パニック発作は、特に最初の1回目は「突然、何の前触れもなく」生じます。内科的な検査を受けても原因が分からず混乱しますが、発作を起こすまでの経緯を伺うと、多くの方が手前で何かしらのストレスを受けています。ちなみに、発作を起こすタイミングについては、ストレスの渦中で発作を起こす方もいれば、ストレスとなる出来事が解決した後のほっとしたタイミングで出る方もいるので一概には言えません。
まず、ここで言うストレスは、「生活上の変化」と捉えてください。結婚、出産、転職、退職、引っ越しなどの人生上の重要な出来事な分かりやすい変化ですが、それ以外にも仕事上の働き方の変化(例:残業が一時的に増える、昇進するなど)それに伴う生活習慣の変化も立派なストレスです。
そして、パニック発作は心身に大きな負荷がかかった最後の結果として生じているケースが多いです。
ですので、症状が落ち着いてきた段階で、一度自分の生活上の変化が起きていなかったか、それに対して自分が負荷を感じていなかったかをゆっくりと振り返ってほしいと思います。
ストレスを振り返った上で、パニック障害の療養のために最も必要な生活習慣のポイントは、睡眠です。
睡眠時間が短くなると、体の疲れが取れなくなることや日中の集中力の低下に加え、脳の疲労も取れないので落ち込みや不安などネガティブな感情を強く感じやすくなります。そして、パニック障害の特徴である身体感覚過敏のため、不眠から生じる不調が発作の症状と近いものと感じてしまい、ますます不安になってしまいます。
ですので、まずは十分な睡眠時間を確保することが重要です。もし睡眠がうまく取れなくて悩んでいるのであれば、一時的に睡眠薬の処方を主治医と検討してみるのもよいかもしれません。
いかがだったでしょうか?
今回はパニック障害と生活習慣というテーマでしたが、実際にはストレスの受け方も、生活習慣の改善のポイントをどこに置くかもかなり個人差があります。自分の場合はどうだったかな?と振り返るきっかけになれば幸いです。
あつた白鳥クリニックでは、パニック障害の本質となる不安感、その中身である身体感覚過敏への専門治療を行っていきます。
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